【最新の車盗難技術】リレーアタックの手口と対策方法とは?
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最近「リレーアタック」という言葉を耳にすることはありませんか。テレビやネットのニュースにも多く取り上げられているリレーアタックとは、ずばり車両盗難の最新手口です(2019年4月現在)。便利で防犯性が高いといれている「車のスマートキーの特性を利用」し、車に傷をつけずに鍵を開けて盗んでしまう方法です。
今回の特集記事では、「リレーアタックとはなんなのか」を徹底解説。その手口や今すぐできる対策方法、有効な防犯グッズをご紹介いたします。
そもそもリレーアタックってなに?
リレーアタックがなにかというと、先述の通り「車のスマートキーの特性を利用した、車両盗難の最新手口」です。スマートキーから発せられている微弱な電波を不正に受信し、その電波を利用して車のドアを開けてしまいます。
スマートキーの仕組みについては、下記の図をご覧ください。
スマートキーの電波が届く範囲は、おおよそ1m~3mです。メーカーや車種により異なりますが、5mを超えるものはまずないでしょう。これは盗難・防犯対策のためで、遠くにある車の鍵が開かないようにするためです。鍵と車が互いに近くになければ、本来であればドアが開くこともエンジンが掛かることはありません。が、これを可能にしてしまうのがリレーアタックの怖いところです。
リレーアタックの手口は、「①電波の中継器を利用し、②スマートキーの電波の届く範囲を伸ばして、③遠くにある車の鍵を開ける」というものです。この犯行には最低2人以上(中継役と窃盗役)が関わり、リレー形式で電波を飛ばすため「リレーアタック」という名前で呼ばれています。
リレーアタックの厄介なところは、「正規の鍵を利用してドアを開ける」ところにあります。
最近の車のほとんどは、盗難対策に「イモビライザー」が搭載されています。これはID照合によりエンジンを書けるという方法です。車と鍵のIDが一致しなければ、たとえ車のドアが開いてもエンジンが掛からないというものです。従来のピッキングや破鍵といった窃盗方法であれば、車のドアを開けられてにエンジンが掛からず、車を盗むことができませんでした。またイモビライザーを突破する方法はあっても、時間が掛かるため窃盗犯も諦めることがほとんどでした。ですが、リレーアタック違います。
リレーアタックは正規の鍵の電波を利用しているので、ドアはもちろんエンジンも掛かってしまいます。最近の車は利便性向上により「プッシュスタート」と呼ばれる方法で、エンジンを掛けますよね。鍵を持った状態でエンジンボタンを押すと、鍵を差して回さなくてもエンジンが掛かります。この仕組みも電波を利用したものなので、プッシュスタート式の車であれば、リレーアタックでエンジンまで掛けることができてしまいます。
さらに厄介なことに、リレーアタックによる「犯行の所要時間はな数十秒」。道具も大掛かりなものではないため、目立たず素早くドアを開けてエンジンを掛けることができてしまいます。車を傷つけることもないので、転売を狙った窃盗犯が急増しています。
リレーアタックの起こる場所ってどこ?
リレーアタックを警戒すべき場所は、なんといっても自宅駐車場です。家の駐車場に置いておけば安心と思われる方は多いと思いますが、その油断が一番危険です。
自宅駐車場が一番狙われやすい理由
まず覚えてほしいのは、リレーアタックには「正規の鍵が必要」ということ。車の鍵がなければ、そもそもリレーアタックはできません。ではなぜ自宅駐車場が一番警戒すべきかというと、「盗みたい車の鍵が家の中にあるということが保証されている」からです。
リレーアタックによる犯行は、建物の中にある鍵の電波も受信・増幅させてしまいます。オーナーが寝静まった夜中や、車を置いて外出しているときなど、家の中に鍵があれば気づかぬうちにリレーアタックで車を盗むことができてしまいます。
記憶に新しい東大阪での事件も、自宅の前に停めていた車にリレーアタックが行われていました。この事件では、周囲に通行人がいたため、犯人が盗まずに逃げていました。しかし、通行人のいない時間帯や、そもそも人通りの少ない場所だったら、車を盗まれていたはずです。
コンビニ・スーパーも要注意
コンビニやスーパーに車を停めるとき、多くは隣接する駐車場や路上に車を停めることになります。車を停めた場所から施設(車の持ち主)の位置が近いので、リレーアタックがしやすくなってしまいます。最近でもコンビニの駐車場に停めた車が、リレーアタックにより盗難されたという事件がありました。リレーアタックの所要時間は数十秒なので、コンビニに寄った短時間で盗み出すことができてしまうのです。
これはコンビニ・スーパーの特性ともいえ、大型ショッピングモールやレジャー施設ではこうはいきません。大型施設では駐車場の距離が遠く、また車の持ち主と車とを判別するのが難しくなり、リレーアタックには不向きです。
そのほかコンビニ・スーパーだけでなく、駐車場の隣接した施設へ車で出かけるときは注意が必要です。上記の「リレーアタックってなに?」の項目で紹介したように、カフェの前に停めた車を盗み出すことができるからです。
リレーアタックで注意すべきことは、ずばり車からそう遠くないところへ離れること。車を近くに停めたからと、油断することは禁物です。
今すぐできるリレーアタックの対策方法
一見無敵に思えるリレーアタックですが、対策方法はあります。それは単純なことで、鍵の電波を飛ばさないようにすればいいわけです。
①スマートキーをアルミホイルで巻く
一番手軽で今すぐできる対策が、車の鍵をアルミホイルでぐるぐる巻きにすることです。信じられないようですが、こうすればスマートキーから発せられる電波が遮断されます。アルミホイルならどの家庭にもあるかと思いますので、今すぐ・手軽に行えます。
ただ不便なのが、車に乗りたいときはいちいちアルミを取外し、また使わないときは巻きなおさないといけないところですね。
②アルミケースに保管する
次に簡単なのが、アルミケースにスマートキーを保管するというもの。材質がアルミで鍵が入る大きさのものであればOK。お菓子を食べた後のケースやジュースやビールの空き缶でも大丈夫です。蓋ができるものであれば、さらに効果的。また、アルミ以外にもブリキが有効です。
ただ一つ難点なのが、持ち運びに不便するというもの。かさばるので外出先では現実的ではないかもしれません。
③節電モードに設定する
知っている方も多いかもしれませんが、最新の車の鍵(スマートキー)には節電モードがあります。これは鍵の電池を温存するためのもので、使わないときは電波を飛ばさないようにできます。この節電モードに設定すれば、リレーアタックをすることができません。
アルミで巻いたり缶に入れる必要がないので、一番簡単で効果的です。ただし年式の古い車の鍵にはこの機能がないので、別に対策をする必要があります。
リレーアタック対策の便利グッズ
最近問題になっているリレーアタック。その対策グッズも様々なメーカーで発売されています。代表的なものは電波遮断キーケースです。
商品名 | 効果 |
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名前の通り、スマートキーから発せられる電波を遮断できるキーケースです。大きさも様々あり、鍵やスマートホンを入れられる商品もあります。 アマゾンで探す |
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原始的になりますが、ハンドルロックも有効です。ハンドルロックは車のハンドルを固定して鍵をかけるものなので、万が一ドアを破られても運転はできません。 アマゾンで探す |
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さらに原始的かつ効果的なのがタイヤロックです。タイヤを固定して動かないようにするほか、見た目にもインパクト大なのでそもそも狙われにくくなります。 アマゾンで探す |
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車カバーも防犯には効果的です。外から車が見えないので、窃盗犯に狙われにくくなります。イタズラや車上荒らしの防止にもなるので、一石二鳥にも三鳥にも。 アマゾンで探す |
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車が盗難被害に遭った場合、スマートフォンなどで車の現在地を確認することができます。上記4つとは毛色が違いますが、車両追跡GPSももしもの時は安心です。 アマゾンで探す |
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上記の車両追跡GPSとの合わせ技で、ステッカーを張るのもよいかもしれません。目立つところにGPS搭載車両だとアピールすることで、盗難抑止力になります。 アマゾンで探す |
車の盗難被害に遭ったときにすること
リレーアタックにより車を盗まれてしまったら、まずは警察に連絡してください。盗まれた車を取り返すには、いち早く警察に連絡すること。警察にいかに早く盗難届を出すかが重要になってきます。
①盗難届の提出
車の盗難届を出すためには、上記のように車の登録番号・車体番号が必要です。いざという時のため、車検証のコピーを自宅に保管しておくとよいでしょう。また盗難届を出した後に発行される受理番号は、次にご紹介する「保険会社への届け出」に必要になります。
②保険会社へ連絡
車両保険に加入している方は、保険会社への連絡も行ってください。内容により車の購入金額が保証されます。また「携行品損害担保特約(車両積載動産特約)」に加入していれば、車内に置いてあった物品(カメラ等高額商品)も保証の対象になります。
そのほか車内に鞄を入れたまま盗まれてしまったときは、「スマホを落とした!財布をすられた!鞄を失くした!モノの紛失・盗難時にすべき5つのこと」をご参照ください。クレジットカードの停止や保険証などの再発行手続きを行う必要があります。
③車の末梢登録(廃車届)
これは車が盗まれたまま戻ってこなかった場合の手続きです。車の抹消登録を行わないと自動車税を支払い続けなければいけません。車が戻ってくる見込みがない、または見つかっても乗れる状態ではなかった場合は速やかに手続きを行ってください。この手続きを行うことで、自動車重量税・自動車税の支払い停止と還付を受けることができます。
車の抹消登録には、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」があります。「永久抹消登録」は、車が戻ってこない・廃車になったときに行います。「一時抹消登録」は、車を一時的に使用しないときに行う手続きです。「盗難届を出して車を捜索している間」や、「車が戻ってきたけど修理が必要な場合」など、車にすぐに乗れない状態の場合は一時抹消登録をします。
④保険の解約(自賠責・任意)
車が戻ってこない場合は、加入している自賠責保険と任意保険の解約も必要です。自賠責保険は有効期間が1か月以上ある場合、還付を受けることができます。還付を受けるには、上記で行った抹消登録の証明書のコピーが必要です。また、還付の基準は還付申請を行った日となるので注意が必要です。
任意保険も解約手続きを行うことで、支払っている保険料の返金を受けることができます。ですが、別の車に乗り換える場合は、「変更届」を行うことで、別の車でも引き続き同じ保険を使用することが可能です。またすぐに乗り換えない場合は、中断届を行うことで保険の扱いを一時保留することができます。ちなみに任意保険の解約手続きには、抹消登録証のコピーは必要ありません。
さいごに「リレーアタックより怖いコードグラバー」について
2019年4月現在の最新車両窃盗技術として、リレーアタックの紹介をしてきました。ですが、そのリレーアタックよりもさらに最新かつ恐ろしい「コードグラバー」という技術が登場しているのはご存知ですか。リレーアタックよりも防御が難しく、盗難対策がほぼないと言われている悪質な手口です。次の記事では、そのコードグラバーについてをご紹介いたします。
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